20歳以上の人はみな、年金を納める必要がありますよね。
ところが大学生のときに年金未納にしていると、社会人1年目に障害を負った場合に障害年金が支給されません。また、社会人1年目に不幸にも死亡した場合にも、遺族年金が支給されません。
学生時代はお金がないから未納にし、社会人になってから年金を払えばいいや、と考えている人もいます。
そういう方が社会人1年目に万が一のことがあった場合に、公的年金によるサポートも受けられなくなるのです。
なぜそうなるのかですが、障害基礎年金、障害厚生年金の支給要件に、次の一文があります。
(ただし下記のAとBという文字は、あとの説明のために私が追加した文字です。)
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A.初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。
B.ただし、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。
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社会人1年目の方で、20歳から大学卒業までずっと未納だった場合、上記記述のAは満たされません。
そしてBの記述も、「直近1年間」に未納の学生期間が含まれることから、要件を満たしません。
両方の要件を満たさないため、障害年金は受給できないということになるのです。
同様に遺族基礎年金、遺族厚生年金には次の一文があります。
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死亡日の前日において、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要です。
ただし、死亡日が令和8年3月末日までのときは、死亡した方が65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。
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学生時代に年金未納で社会人1年目に死亡した場合、「直近1年間に未納がある」ことになるため、この場合も遺族年金が支給されないことになります。
社会人1年目のときに、不幸にも大けがをしたり死亡することがないとは言えません。そのような万が一の時に公的年金でのサポートを得るためには、20歳以降の学生の期間も、年金を納付したり、学生納付特例制度を使うことが大切といえますね。
高校生、大学生、その保護者にお金の話をするとき、この内容を参考にしてもらえたらと思います。
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