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親を扶養に入るとお得、とは限らない

働いている子が、高齢の親を扶養に入れると得をする、と言われています。
これは、次の理由によるものです。

・親を健康保険の扶養に入れることで、親自身が社会保険料の支払いをしなくてすむので、お得
・税金の観点でも、扶養控除の適用を受けられるため、子供の税額がお得

ただし扶養に入れるためには、その親の収入(年金・給与・その他収入)が一定額以内であるという要件を満たさなければなりません。

 
扶養に入れたら得というのは、多くのFPの方がご存じのことでしょう。
しかし逆に、負担増になる事例もあります。

一つが、高額療養費制度です。
高額療養費制度では、1か月あたりの自己負担上限額が定められています。
所得が高いほど、自己負担上限額も高くなります。

この自己負担上限額の判定は、親を扶養に入れていなければ、親の所得で判断します。
しかし親を扶養に入れたなら、子供の所得で判断します。

子が親を扶養に入れるということは、子のほうが所得は高いでしょう。
なので親に高額な医療費が発生した場合には、損になります。

同様に、高額介護サービス費制度でも、同じことが言えます。
親に高額な介護費用が発生した場合には、損になります。

 
親を扶養に入れるかどうかの損得を判断するためには、

・親を扶養に入れることで減少する、所得税額と住民税額(月額)
・高額療養費制度の自己負担上限額の増加額
 (かかる医療費月額と月数を、見積もったうえで計算します)
・高額介護サービス費制度の自己負担上限額の増加額
 (かかる介護費月額と月数を、見積もったうえで計算します)

の3点を天秤にかけて考える必要があります。

 
親を扶養に入れたほうがよいか、という相談がありましたら、この観点も参考にして、より良い情報提供に努めていただければと思っています。

下記の記事も、参考にしてみてくださいね。
詳しい計算例も記載があります。

・親を扶養にしたら「介護費用が急増! 」 のワケ
https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-2682/
 

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