先日、相続登記義務化の法案が、成立しました。
末尾に日経の参考記事を載せていますが、3~5年後に施行されるようです。
多くの方は、登記に関するルールを、FPなど資格試験で学ばれたのではないでしょうか。私も16年くらい前、FP3級の勉強中に「公信力はないけれど、対抗力はある」という言い回しで学びました。
登記は国家的な管理制度なのに、正しくない情報が記録されている「かもしれない」のです。「なんでなの?」と疑問を持ちながらも、「とりあえずそう覚えて試験で点を取ればいいや」と割り切って勉強したことが、懐かしい思い出です。
私は普段IT業界で業務をしていますが、いろいろな企業が顧客・商品・在庫を代表とする情報管理に一生懸命です。その理由は、正しく信頼できる情報をリアルタイムで、しかも簡単に把握できるようにするためです。
民間企業はそう考えているのに、国家の土地管理はなぜそうじゃないのか・・・今でもしっくりこないです(笑)
さて、登記の義務化は、土地の所有者不明問題の解決を狙っています。
所有者不明の土地が、所有者に限らず、地域での利活用も困難にしている現状があるためです。
そこで登記を義務化し、罰則が設けられることとなりました。
ところでその罰則は、過料10万円以下というものです。
めんどくさがりやな土地所有者なら、「10万円払わされるなら登記しよう」というモチベーションにはなるでしょう。
でも権利関係が複雑な相続で、簡単に所有者を変更できないケースもあるでしょう。
その場合、専門家に依頼して数十万円のコンサル料がかかるくらいなら、過料10万円払って放置しようかな、という判断になるかもしれません。
過料なので前科にはなりませんし・・・。
もし「登記しなければ所有権が失われる」というルールであれば、相当な割合で登記がなされるのではないでしょうか。
不動産実務に関わる方は、登記変更する必要性やメリットをしっかり伝えていくことが大切ですよね。顧客個人の問題解決だけでなく、社会問題の解決にも貢献できることになります。
登記義務化に加えて、登記手続きを簡単にする制度や、土地を国家に返納する制度(いらない土地を条件付きで国に渡せる)も作られるようです。
改正事項を、社会背景も含めて理解し、今後の情報提供・コンサルティングで役立てていただければと思います。
FP試験で勉強した登記の常識が、これから少しずつ変わっていきます。
社会背景を理解すれば、改正内容を暗記しやすくなる!
これは試験勉強テクニックではなく、実務で役立つテクニックです。
(^-^)v
・相続登記を義務化 所有者不明土地対策、関連法案を決定
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE046WL0U1A300C2000000/
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